生保への不信感を一気に高めた、あの日産生命破綻の原因は、養老保険などの貯蓄性が高い商品の利回りを異様に高く設定して契約を集めたことにあると言われている。
しかしその一方で変額保険の運用に失敗した生保が少なからず存在し、そのことが生保への信頼を失わせたことも忘れてはなるまい。
この問題は、尾をひき、現在でも多くの変額保険加入者が、保険会社に対して、「損失を補填せよ」と、訴訟まで起こしている。
こうしたことが起こった背景は、本来、長期保有によってリスクを分散し、結果的に高い利回りを得ることを目的とするべき変額保険を、むりやり短期運用で利益が出る商品であるかのように説明して販売したことにあった。
さらに、その保険料に銀行からの借り入れを充てさせるという、無謀なことを変額保険加入者にやらせたのである。
運用さえうまくいけば、支払わなければならないローンの金利以上の利益が上がるはずという、じつに甘い目論見で、リスクヘツジなどまったく考えていない売り方だったと言えよう。
日本の生保が販売した変額保険バブルの崩壊それでもかりに運用テクニックが海外の生保並みであれば、海外市場で、日本での運用のマイナス分を取り戻すことも可能だったはずである。
ところが日本の生保には、そのノウハウもなかった。
結果は言うまでもなかった。
死守しなければならないはずの変額保険加入者の受取額が激減するという結果になってしまったのである。
こうして、日本型変額保険の目論見はもろくも崩れ去り、「変額保険は危ない」というレッテルがはられてしまった。
Sの変額保険も、問題となった日本の生保の変額保険も基本的には同じしくみの商品である。
では、なにが違うのか?それは運用テクニックの差である。
同じようなタイプのファンドを運用しているにもかかわらず、海外の生保の運用実績は日本の生保の数倍以上と高く、なおかつ安定しているのだ。
なぜ、それほどの運用実績と安定性を保ち続けているのだろうか?それは資金運用を任されているファンド・マネージャーたちの力量の差といえよう。
日本の生保は優秀な社員を採用し、教育し、ファンドの運用に当たらせていた。
そして、分散投資なのでリスクが軽減できる分散投資をすれば市場のブレを平均化し、全体としてリスクを下げることができる。
変額保険での高利回りを自分のものとするために、まず最初に考えなければならないのは、いかにしてリスク(危険)を分散するかである。
リスクと言ってもいろいろなものがある。
市場の乱高下がもたらす市場リスク、為替の変動が及ぼす為替リスク、その国の社会情勢や政治情勢の変化などが影響するカントリーリスクなど、数多くのリスクが存在している。
そして、投資するにあたっては、できるかぎり幅広く分散投資することで、総合的にリスクを下げることが原則なのだ。
ごく単純に説明してみよう。
たとえば変額保険に加入した2人の契約者がいたとする。
日本の株式市場が上がる方だと信じ、毎月の保険料のすべてを日本の株式に注ぎ込んだ。
もう1人は、日本の株式市場とアメリカの株式市場に半々に投資してリスクを分散した。
そして、ご承知のとおり、日本の株式市場は大暴落・・・すべてを日本株に投資した人は大損することになった。
一方、日本市場とアメリカ市場に投資を分散した人は、日本の市場に投資した部分こそマイナスとなったが、アメリカの市場に投資した部分は好景気に支えられて、大幅なプラスになった。
つまり投資する市場を分散したことで損失を防ぎ、利益を確保することに成功したのだ。
ならば、全額をアメリカの株式市場に投資した人は、それ以上に大儲けしたじゃないかということになるが、それはあまりにも危険なバクチといえよう。
ファンドの運用は専門家でも完全には読み切れないほど難しいものである。
たとえば、現在、好調を誇っているアメリカ市場中心のファンドも、いつ、かつての日本のようにバブル崩壊を迎えないとも限らない。
そうなると、アメリカ市場だけに投資していた人は取り返しもつかないほど損をしてしまうことになる。
逆に、現在でこそ低迷している日本市場だが、中・長期で考えれば、なにかのきっかけ変動利回りの商品なのでインフレ対策もバッチリ運用によって保障額が変動するので、インフレによる価値の半減を回避できるかも。
繰り返し述べるが、生命保険は決して短期で資産を増やそうというものではない。
初年と長期にわたって保険料を払い続けるものである。
では初年後の貨幣価値はどうなっているのだろうか? そのことをよくよく考えてみなければならない。
ある人が初年後に、死亡保険金1000万円をもらえる保険に加入していたとする。
現在の貨幣価値で、それだけあれば十分と考えていても、実はインフレによってその価値はどんどん目減りしていってしまう。
かりにインフレ率3%で上昇し続けたとすると、10年後には、現在の1000万円も746万円、20年後には555万円、30年後には411万円の価値しかなくなってしまうのだ。
インフレが進むと資産も目減りする、インフレが続くと、あなたの資産価値も、どんどん目減りしていく。
過去を振り返ってみると、波はあったものの、世界の経済は確実に右肩上がりの上昇を10年のスパンで考えると、やはりインフレ対策を講じておくべきなのである。
さてそうなると固定された利回りの商品より、景気の動向に敏感に反応していく変動利回りの商品のほうがいいということになってくる。
あくまでも当初の契約額しか受け取れない保険より、インフレに伴い、それにふさわしい利回りを自分のものにできる可能性が高い保険のほうが数段魅力的であることは自明の理といえよう。
もちろん保険料をファンドで運用するだけに、運用の失敗によるマイナスが生じる可能性もゼロではない。
それだけハイリスクの面があることは確かだが、自らが勉強しつつ、加えて代理店などのプロのアドバイザーから、過去の動きなどを教えてもらいながら、投資していけばリスクを上手に回避することも可能なのだ。
同じ保険料を支払うにしても、インフレのために価値が半減してしまう日本の生保と、インフレとともに運用益がつく可能性の高い海外の生保・・・どちらを選ぶべきか、改めて言うまでもないことであろう。
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S保険株式会社は、スウェーデンに本拠地を置くS保険会社を中心とした国際的な金融グループ・「S・グループ」の一員である。
1996年、S・グループの100%出資の日本法人として設立された。
そもそも親会社のS保険が設立されたのは、今から140年以上も前の1855年のことだったが、1865年にストックホルム証券取引所が創設されたときに上場して以来、現在に至るまで、同証券取引所で最長の上場歴を誇っている。
また、そのネットワークは世界中に及んでおり、本国のスウェーデンばかりでなく、アメリカ、イギリス、オランダ、デンマーク、香港、マレーシア、シンガポールなどのおカ国に約1万人の従業員がいる。
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